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膝前十字靭帯断裂の原因/リスク要因とは?半年以内で復帰できる新しい術式がある?

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膝前十字靭帯断裂

は、アスリートにとっては長期離脱を余儀なくされる大怪我です。

 

この前十字靭帯断裂を予防するために多くの研究が行われ、少しずつその全貌が明らかになってきています。

 

今回は前十字靭帯断裂の原因/リスク要因やメカニズム、手術方法などをご紹介します!

 

具体的なエクササイズなどの紹介はありませんが、座学として前十字靭帯断裂について知りたい方は必ず勉強になるかと思います!!

 

・前十字靭帯断裂を予防したい
・前十字靭帯断裂について知りたい
・メカニズムを知りたい
アスレティックトレーナー、日本トレーニング指導者、鍼灸師等の多資格を駆使しながら、ラグビーチームのトレーナーをしている筆者が論文&実体験を交えて執筆しております。
しーやん
女性スポーツだと特に多いよね!

 

 

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膝前十字靭帯とは?

膝前十字靭帯

まず前十字靭帯の解剖についてです。

 

前十字靭帯は英語で「Anterior Cruciate Ligament」と書き、「ACL」と略される事が多いです。

 

前十字靭帯は2束または3束からなる線維束で形成されており、

・前内側線維束(内側/外側)
・後外側線維束

があります。

 

基本的に前十字靭帯は膝の全可動域で緊張していますが、膝屈曲位では前内側線維束が、膝伸展位では後外側線維束が緊張します。

 

具体的な付着部は

脛骨付着部
前縁:内側半月板根付着部
内側縁:内側顆間結節
後外側縁:外側半月板根付着部
大腿付着部
外側顆内側壁の後方
→前縁:resident’s ridge
→後縁:関節軟骨境界
となっています。
また、前十字靭帯の機能としては
機能
・脛骨前方移動の制動
・膝関節内旋制動
(・膝関節外反制動)

があります。

 

 

膝前十字靭帯断裂とは?

前十字靭帯断裂は膝関節の怪我で最も発生率が高く、スポーツ障害の中で最も重症度の高い怪我だと言われています。

 

接触型と非接触型に分けることができますが、基本的には、

非接触型

での断裂が最も多いです。

 

具体的にはジャンプ着地やステップ時、カッティング時などで断裂することが多いです。

 

膝関節内は血流に乏しく、前十字靭帯は基本的に自己治癒が望めません。

その為、基本的には手術が必要になってきます。

 

手術法に関しては後述します!

 

前十字靭帯単独での損傷は稀で、

・内側側副靭帯損傷
・内側半月板

などの合併が起きやすく、この3つが併発することを

Unhappy triad:不幸の三徴候

と呼びます。

 

 

膝前十字靭帯断裂のメカニズム

ではこの前十字靭帯が断裂する時、膝はどのような動きになり、この靭帯が断裂してしまうのでしょうか。。

 

よく言われるのが

”Knee-in,Toe-out”

ですよね。

 

いわゆる、膝が内側を向いて、爪先が外を向くような動き。

 

膝が内側を向くということは股関節内旋や膝関節外反の動きがでていると考えられます。

 

また、爪先が外を向くということは膝関節(下腿)外旋していると考えられますよね。

 

しかし、実際に前十字靭帯断裂の受傷シーンを解析してみると、少し違った動きが起こっていることが分かりました。

 

 

断裂シーン解析:接地時

前十字靭帯断裂を起こしてしまったシーンの解析をしてみると、ある程度共通することがありました。

 

まずは接地時の肢位について説明していきます。

要はまだ前十字靭帯が断裂する前ですね。

 

接地時:膝関節
・軽度屈曲位 約23°
・外反角度 約0°
・回旋角度 外旋約5°
接地時:股関節
・屈曲 約52°
・外転 約21°
・内旋 約27°

 

ここだけを見ると、そこまですごく気になるところはありませんよね。。

 

ただし、前十字靭帯を怪我していない方の動きを分析すると、股関節は外旋位での接地が多いです。

 

内旋位での接地自体がリスクとは考えられにくいですが、断裂時は内旋位で接地しているというのは特徴ですね!

 

個人的には膝外反角度が接地時は0°だったのは意外でした!

 

 

断裂シーン解析:接地後40ms

前十字靭帯は接地後40msあたりで断裂するのではないかと言われています。

 

なのでこれからお話するのはちょうど前十字靭帯が断裂する時の膝と股関節の角度ということになります。

 

接地後:膝関節
・軽度屈曲位 約23°→約24°
・外反角度 約0°→約12°
・回旋角度 外旋約5°→内旋約8°→外旋約17°(接地後200ms)
接地後:股関節
・屈曲 約52°→約53°
・外転 約21°→約15°
・内旋 約27°→約28°

ちなみにここには記載していませんが、断裂時から脛骨前方移動も増加していきます。

 

上記のことからある程度特徴が見えてきましたね!

 

まず接地時膝の外反が0°でしたが、40msという短時間で約12°に増えています

 

そして、膝関節外旋位で接地していたのに、断裂時は内旋位になっています。

さらに断裂後は内旋位から急激に外旋していきます。

 

要はKnee-in,Toe-outは、断裂した結果に起こる現象だということがこのことからわかります。

 

 

具体的なメカニズム

ではなぜ上記で説明したように外旋位での接地から断裂時には内旋、その後に外旋というように、回旋角度が極端に変化するのでしょうか。

 

それについて解説していきます。

 

順番は以下の通り、

  1. 膝に外反力が加わる
  2. 内側側副靭帯が緊張し、外側コンパートメントには圧迫力が生じる
  3. 外側に圧迫力が加わった際、脛骨の骨形態(外側の後下方傾斜)により、大腿骨外顆が後方に変位
  4. 相対的に脛骨が前方移動、膝関節の内旋が生じる
  5. 前十字靭帯が断裂する
  6. ACLの制動がなくなり脛骨が前方移動する
  7. 足部は固定されているので大腿骨内顆も後方に変位
  8. 相対的に脛骨が外旋し、結果Knee-in,Toe-outの形になる

 

少し文字だけだとイメージしにくいかもしれませんね。

 

要は基本的に前十字靭帯断裂の始まりは膝の外反から始まるということです。

 

 

前十字靭帯断裂と体幹

これまでは膝に着目して、断裂時にどのようなことが起きているのか解説してきました。

 

では膝以外、特に体幹がどうなっているのかも見ていきましょう!

 

前十字靭帯断裂時の体幹に着目してみると、

・方向転換時の体幹の外側の傾き
・矢状面における体幹の傾き(接地脚側に傾く)

は膝の外反が起こりやすく、危険な動きと言われています。

 

さらに側方への傾きだけでなく、前十字靭帯を断裂した選手は、

・上体の前傾が少なかった
・体幹が下肢よりも後方に位置していた

と言われています。

 

要は上体の前傾が少ない状態での急激な減速動作はリスクが高いと言えます!

 

 

 

膝前十字靭帯断裂のリスク要因とは?

リスクとは

ではこのような大怪我をしてしまうリスク要因にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

今回は静的と動的な要因に分けて説明します!

 

静的要因
・女性
・高いBMI
・家族歴
・狭い顆間窩距離
・脛骨外側プラトーの後方傾斜
・H/Q比
・筋の疲労耐性低下
・全身弛緩性
など
動的要因
・着地時の動的な膝の外反
・大きな膝外反モーメント
・stiff landing
・single-leg drop jumpでの膝外反角度↑

 

女性は骨盤が広く、構造的にKnee-inしやすいため、リスク要因となります。

 

動的要因はやはり共通しているのが”膝の外反”ということです。

動作の中で外反の動きがでてしまうのはリスクが高いんですね。

 

 

前十字靭帯断裂の術式

日本で一般的に行われる手術方式には大きく2つあり、

骨付き膝蓋腱を使用したBTB法
・半腱様筋(ST)と薄筋腱(G)を使用したSTG法

です。

 

どちらにもメリット、デメリットがあるので、選手の身体状態や選手の置かれている状況によって医師と相談になるかと思います。

 

 

最新?の術式とは

2014年頃から海外で使われ始めた術式に

Ligamiys

という術式があります。

 

海外の報告によると、約半年で復帰ができる。さらには、

約4か月以内

に復帰できたとする症例もいくつかあるそうです。

 

割と術後の成績もよく、そこまで悪い報告はなさそうですが、まだ日本でこの術式は行われていないかと思います。

 

どんな術式か気になる方はぜひYouTubeでLigamiysと検索してみてください!

 

 

 

結論:前十字靭帯断裂の原因を理解して予防しよう!

膝前十字靭帯が断裂する時に膝がどのようになっているのか。

また、体幹はどのようになっているのか。

 

そして、どのようなリスク要因があるのかを解説してきました。

 

前十字靭帯断裂に関するメカニズムは明確になりつつあるものの、発生率は未だに高いままです。

 

ぜひこれを読んでくださった皆様には、この記事で学んだことをスポーツ現場に生かしていただけたら幸いです!

 

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