こんにちは。
トレーナーのこうた(@trainer_blog)です!
近年、健康維持のために「座りすぎの時間を減らすこと」の重要性が広く認識されるようになりました。
しかし、夜間の軽い運動が睡眠時間を延長する可能性があることをご存じでしょうか?
2024年にBMJ Open Sport & Exercise Medicineに掲載された最新の研究では、夜間に短時間のレジスタンス運動を行うことで、睡眠時間が平均27分増加することが報告されました。
本ブログでは、この研究の詳細とその意義、さらには今後の健康ガイドラインへの影響についてまとめていきます!!
🔍 研究の概要:夜間の運動が睡眠に与える影響を調査
この研究は、ニュージーランド・オタゴ大学の研究チームによって行われた無作為化クロスオーバー試験です。
研究の目的は、夜間に短時間のレジスタンス運動を取り入れることで、睡眠の質や量にどのような影響があるかを調べることでした。
📌 研究デザイン
- 参加者: 28名(女性20名、平均年齢25.6歳、BMI 29.5 kg/m²)
- 介入方法:
- 長時間座位(4時間)
- 30分ごとに3分間のレジスタンス運動(スクワット、カーフレイズ、ニーリフト+ヒップエクステンション)を実施(4時間)
- 評価項目:
- 睡眠時間・睡眠効率・覚醒回数(ActiGraph GT3X+加速度計を使用)
- 座位時間・身体活動量
📊 研究結果:夜の運動で睡眠時間が27分延長!
① 睡眠への影響
- 定期的な運動休憩を行うことで、
- 睡眠期間が29.3分延長(p=0.040)
- 総睡眠時間が27.7分延長(p=0.033)
- 睡眠効率(89% vs 89%)、覚醒回数(17回 vs 17回)、夜間覚醒時間(45分 vs 46分)には有意な差なし
➡ つまり、夜の軽い運動が睡眠の質を損なうことなく、純粋に睡眠時間を延長する可能性があることが示唆されました。
② 翌日の身体活動への影響
- 翌日および48時間後の身体活動レベルや座位時間に有意な変化なし
- 一方で、運動を行ったグループでは総身体活動量が18分減少する傾向(p=0.265)がみられた
➡ これは、夜間の運動による睡眠時間の延長が、翌日の活動時間を少し圧迫した可能性を示唆しています。
🧐 考察:夜の運動は本当に睡眠を改善するのか?
💡 なぜ夜の運動で睡眠が延長されたのか?
従来、就寝前の運動は睡眠の質を損なうと考えられてきました。
これは、運動による交感神経の活性化、体温の上昇、心拍数の増加が、睡眠を妨げる可能性があるためです。
しかし、本研究で実施されたのは軽~中程度のレジスタンス運動であり、以下の特徴があります。
✅ 心拍数の急激な上昇を伴わない
✅ 短時間で終わる(3分間)
✅ 低負荷の動作(スクワット、カーフレイズなど)
これらの特徴が、交感神経の過度な刺激を防ぎ、逆にリラックス効果をもたらした可能性があります。
また、レジスタンス運動には成長ホルモン(GH)やセロトニンの分泌を促進する作用があり、これが睡眠の延長につながった可能性も考えられます。
📉 睡眠時間が増えても、翌日の活動量に影響はない?
興味深いことに、本研究では夜間の運動による睡眠時間の延長が、翌日の身体活動レベルを低下させることはなかったと報告されています。
これは、夜間に十分な休息を取ることで、日中の活動の質が向上し、トータルの活動時間は変わらなかった可能性があります。
🏥 今後の健康ガイドラインへの影響
本研究は、「就寝前の運動を避けるべき」という従来の睡眠衛生ガイドラインを見直す必要があることを示唆しています。
✅ 夜間に短時間の軽い運動を取り入れることで、睡眠時間を延長できる可能性がある
✅ 睡眠の質を損なうことなく、翌日の活動にも悪影響を及ぼさない
これは、特に睡眠不足に悩む人々や、デスクワーク中心の生活を送る人にとって有益な知見となるかと思います。
📢 まとめ
✅ 夜間の短時間のレジスタンス運動(3分×4時間)で、睡眠時間が約27分延長
✅ 睡眠の質(効率・覚醒回数)は変わらないため、安心して実施可能
✅ 翌日の活動レベルに大きな影響なし(睡眠が増えても活動量は維持)
ということで今回のブログは以上となります!
最後までご覧いただき、ありがとうございます!
📌 参考論文
Gale JT, et al. Evening regular activity breaks extend subsequent free-living sleep time in healthy adults: a randomised crossover trial. BMJ Open Sport & Exercise Medicine, 2024.
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