こんにちは。
トレーナーのこうた(@trainer_blog)です。
今回は筋肉の硬さと足の速さの関係性についてです。
実は筋肉は硬い方が速く走れるという報告がちらほら。
それらの研究をご紹介しつつ、私の個人的な意見を述べたいと思います!
・柔軟性が高い=正義だと思っている方
筋肉は硬い方が速く走れる?
先ほども言いましたが、実際に筋肉が硬い方が速く走れると報告する研究はあります。
例えば、宮本らの研究では、
・22名の長距離ランナー
・19名の男性被験者
を対象に外側広筋(VL)の硬さがパフォーマンスとどのような関係があるかを調べました。
その結果がこちら。
https://www.juntendo.ac.jp/news/20190730-03.html より引用
こちらの図からも分かるように、外側広筋が硬い方が短距離走のタイムが速く、逆に硬いと長距離のタイムが遅くなるという結果になりました。
他にも、小田らの研究では、下腿三頭筋が硬いほど、400mスプリントのタイムが良かったとも報告されており、先ほどの研究と同様の結果となりました。
なぜ筋肉が硬いと速く走れるのか?
ではなぜこのような結果となったのでしょうか?
様々な要因が考えられるかもしれませんが、1つに
”体のバネを効率良く使える”
というのが考えられています。
大腿四頭筋であれば膝蓋腱に、下腿三頭筋であればアキレス腱に繋がります。
これらは膝関節や足関節を固める上で非常に重要かつ強靭な腱になっています。
短距離走を走るときは、関節を瞬間的に固め、バネのように使用することで効率的に力を伝達することができます。
その為、外側広筋や下腿三頭筋などがある程度硬い方が力を効率的に伝えることができ、短距離走のタイムが速くなったと考えられます。
筋肉が硬いと柔軟性がないは別
今回ご紹介した研究は、筋肉そのものの硬さを評価したものであり、柔軟性とは若干異なります。
なぜなら柔軟性、体の柔らかさには筋肉だけでなく、他の組織が多く関与するからです。
その為、私達が普段評価するような関節可動域と今回の研究ででてきた「筋肉の硬さ」はイコールではないので悪しからず。
ただしイコールではないものの、比例はするものだと考えます。
筋肉が硬ければ関節可動域も低下する。と私は考えています。
逆に”関節可動域が低下している=筋肉が硬い”ではないということです。
実際の体験談
実際に私が見ているチームでも、足の速さを売りにしている選手はことごとく体/筋肉が硬いです。笑
もしかしたら皆さんの周りにも当てはまる方がいるかもしれません。
そのような選手達に日々のストレッチを強制することは、逆にパフォーマンスを下げてしまうかもしれない。
ということは考えておかなければいけません。
短距離走選手の筋肉は硬くていいのか?
ここまでの話を聞くと、
「じゃあ短距離走の選手は筋肉が硬くていいんだね!」
と思う方がいるかもしれません。
ここで”筋肉を硬くしたら足が速くなる”と誤解しないように気をつけましょう。
前半に紹介した研究は、
”筋肉の硬い人は、結果的に足が速かった”
というだけであり、決して筋肉を硬くしたら足が速くなったというわけではありません。
では短距離走の選手は筋肉が硬くていいのでしょうか?
僕個人の意見としては、無理やり柔軟性を向上させる必要はないと考えています。
今ある柔軟性からより低下しないようにストレッチはする必要があると思います。
ストレッチの重要性については1つ前の記事でも少し触れています。
まとめ
繰り返しになりますが、足を速くしたい/足が速い人はストレッチをしなくていいというわけではありません。
筋肉が硬いことによるデメリットも少なからずあります。
こちらも繰り返しになりますが、僕個人の意見としては、
・ただし、今ある柔軟性が低下しないようにストレッチはさせる。
ということになります。
ぜひ皆さんの考えがあれば、各SNSからご連絡頂けると幸いです!