こんにちは。
トレーナーのこうた(@trainer_blog)です!
最近ベータ版として実装されたCaht GPTの「Scheduled Tasks」が万能すぎます…
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筋肉に蓄積された脂肪が心疾患リスクを高める可能性
を示唆した論文です。
結果だけでもチェックしてみてください!
はじめに
肥満や心代謝疾患に関連する体内脂肪の分布が、これまで以上に注目を集めています。
本記事では、「European Heart Journal」に掲載された最新研究「Skeletal muscle adiposity, coronary microvascular dysfunction, and adverse cardiovascular outcomes」をもとに、骨格筋間脂肪(IMAT)が心血管リスクをどのように高めるかを専門的に解説します。
この研究は、IMATが心血管疾患リスクの新たな指標としてどの程度役立つかを示す貴重なエビデンスを提供しています。
研究の背景
肥満は心血管疾患(CVD)の主要なリスク要因ですが、体格指数(BMI)のみではリスク評価が不十分であることが多いとされています。
IMATは骨格筋繊維間に分布する異所性脂肪組織で、炎症や代謝異常と関連が深く、従来の脂肪指標(例:内臓脂肪や皮下脂肪)を補完する重要な役割を果たす可能性が示唆されています。
本研究では、IMATと冠微小循環障害(CMD)、および心血管イベント(MACE)の関係が調査されました。
研究の方法
- 対象者:
2007年から2014年に胸部PET/CT検査を受けた669名(平均年齢63歳、70%が女性、46%が非白人)。すべての対象者は冠動脈疾患や心不全の既往がなく、左心室駆出率が正常でした。
- 測定指標:
BMI、IMAT、皮下脂肪(SAT)、骨格筋(SM)を評価。CMDは冠状動脈予備能(CFR)<2と定義されました。
- フォローアップ:
中央値5.8年間にわたり、有害心血管転帰(MACE:死亡、心筋梗塞、心不全入院)の発生を追跡しました。
結果
1. IMATは心血管リスクの重要な予測因子
IMATの増加は冠微小血管の機能障害と強く関連しており、BMIや皮下脂肪(SAT)よりも独立したリスク因子であることが示されました。
このリスクはBMIや他の脂肪指標では説明できず、IMATが新たなリスク層別化の指標となる可能性が示唆されています。
2. CMDとIMATの相互作用がリスクをさらに高める
CMD(CFR<2)とIMATの両方が高い患者では、心血管イベントのリスクが最も高いことが確認されました。
肥満患者であっても、IMATが低ければリスクが抑えられる場合があるため、単純なBMI評価だけではリスクを正確に把握できないことが明らかです。
3. 高い骨格筋量(SM)と皮下脂肪(SAT)は保護的に作用
IMATと対照的に、骨格筋量(SM)と皮下脂肪(SAT)の増加は、CFR低下およびMACEリスクを減少させる保護的な作用を示しました。
このことは、筋肉量と脂肪組成のバランスが心血管健康に重要である可能性を示唆しています。
考察
この研究は、従来の肥満指標(BMIや内臓脂肪)では評価できない心血管リスクを、IMATという新たな視点で捉え直す重要性を示しています。
特に、女性や肥満患者の心血管リスク評価には、IMATが有用な指標として期待されます。
また、CMD(冠微小循環障害)を併発する患者のリスク層別化において、IMAT評価が重要な役割を果たす可能性があります。
臨床的意義と今後の方向性
本研究の結果から、IMAT測定を組み込んだ非侵襲的なリスク評価手法が提案され、治療方針や予防戦略の改善につながる可能性があります。
特に、以下の応用が考えられます。
- 心血管リスクの早期発見: IMATが高い患者を特定し、早期に介入することで心血管イベントを予防。
- 治療のターゲティング: 骨格筋の質を向上させる介入(運動、栄養療法)やIMATを減少させる薬剤療法の評価。
今後は、IMATの減少が心血管リスクを低下させるかどうかを検証する臨床試験が期待されます。
ということで今回の記事は以上となります!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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