全国で緊急事態宣言が解除され、少しずつ運動を再開したり、スポーツ活動を再開しているところが増えていると思います。
しかし、今年は熱中症が増えるのではないかと懸念されていることをご存知でしょうか?
実は、新型コロナの影響で運動不足の影響や暑熱馴化がうまくいかず、熱中症が増えるのではないかと言われているのです。
この記事では、なぜそのように言われているのかの原因と対策を徹底解説していきます!
・部活動を行う学生
・トレーナーや医療従事者
熱中症とは?
熱中症とは、
のことを言います。
もっと詳しく説明すると、体温が上昇し、体内の水分や塩分バランスが乱れたり、体温調節機能が破綻したりすることで頭痛・めまい・失神・吐き気等の様々な症状が起こる疾患です。
熱中症での死亡数は数十年前と比べるとかなり増加しており、2018年では約1600名の方が熱中症で命を落としています。
地球温暖化により、年々平均気温が高くなっていることや、高齢化によって体力が衰退してしまった方が増えているのが原因だと考えられます。
熱中症の詳細はぜひこちらの記事をご覧ください。
なぜ新型コロナの影響で熱中症が増える?
では、なぜ新型コロナウイルスの影響で熱中症が増えると言われているのでしょうか?
一般的に指摘されている理由と持論を、併せて4つご紹介します。
1.新型コロナの影響で運動不足の深刻化
2.運動再開から大会までの期間が短い可能性
3.マスク着用の影響
4.新入生の運動休止期間の延長
1つ1つ説明していきます!
新型コロナの影響で運動不足の深刻化
新型コロナの影響で東京都では、約2ヵ月間、緊急事態宣言が発令されていました。
その為、各スポーツチーム・選手は、短くても2カ月間は自由に運動が出来ていなかったことが考えられます。
チームによっては、7・8月にならないと活動再開しないところもあるくらいなので、運動不足の深刻化が考えられます。
本来であれば、4,5,6月は夏の暑さが本格する前の暑熱馴化の期間としてとても重要になってきます。
しかしその期間に運動がほとんど出来ていない為、体が暑さに慣れていない状態でいきなり25~30°近い気温の中運動することになってしまいます。
暑さに体を慣らし、順応させていくこと
例年熱中症が生じやすい時期は、梅雨明けの急激に気温が高くなる時期で、やはり暑熱馴化が出来ていない状態はリスクが高いのです。
予防&対応策
2.チームが始動する前から、各自運動をしておく
3.温かい日に外へでて、暑さに慣れておく
4.急に気温が高くなった日は、休憩や水分補給を多めにとる
5.暑さが本格化する前は冷房を使わない
まずは運動再開後いきなり運動強度を上げないことが重要になってきます。
NSCA(National Strength and Conditioning Association)とCSCCa(大学ストレングス&コンディショニング協会)が発表したガイドラインでは長期間の運動休止からの運動再開の場合は、5週間かけて元の運動強度に戻す必要があると訴えています。
他のどの団体も活動レベルを3,4段階に分け、徐々に運動強度を上げることを推奨しており、やはり1か月近くは期間を要した方が良さそうです。
このような知識のない現場だと、運動再開後2,3週間で元のレベルに戻すところもあるでしょう。
事前にそのような対策を打てなかった場合は、決して無理をせず、急に気温や湿度が高くなった日は水分補給や休憩を多くとることが必要になります。
運動再開から大会までの期間が短い可能性
これは既にブンデスリーガで怪我人が続出していることが物語っていると思います。
まだドイツの気温が高くないので、熱中症の報告はありませんが、これが夏の時期だったら間違いなく熱中症がでていたと思います。
日本でも大きな大会は中止を発表しているものの、代わりとなる大会を模索しているというニュースも耳にします。
チームや学校によって運動再開の期間はバラバラなので、チームによっては準備期間が極端に短くなることが予想されます。
例えば、8月に大会が開催される場合に、Aチームは6月から、Bチームは7月から活動再開していたらどうでしょう。
Bチームが勝つためには、Aチーム以上の練習をこの短期間でしなくてはいけません。
すると怪我や、熱中症が起こることは容易に想像できるかと思います。
処置&対応策
2.どのように強度を上げていくのかプランを立てる
大会の日程をズラすことは出来ないので、やれることをやるしかありません。
理想は、活動再開前に各自がしっかりと体を作っておくことです。
活動を再開した時には、ある程度基礎体力がある状態で集まれることが理想でしょう。
マスク着用の影響
つい先日までは、運動時にマスク着用が推奨されていました。
が、「マスク着用は十分な呼吸が行えないことや、熱中症のリスクが上がることが予想されることからマスク着用の必要はない」とスポーツ庁が発表しました。
しかし、選手や運動愛好家の方々の中にはマスクを着用しながら運動する方がいるでしょう。
マスク着用するとどのようなことが起こるかと言うと、
2.呼気が温まり、深部体温が下がりにくくなる
3.水分補給が疎かになる
このようなことが起こりえます。
特に熱中症では、深部体温の上昇が最も危険な為、マスク着用によって吸う息が温かくなってしまうのはかなり危険です。
また、水分補給が疎かになるのではないか。とも指摘されています。
処置&対応策
この対策は、正直1つだと思っています。
ということです。
一般の方であれば、運動する時に人の多い場所を避ける。
チームや部活動であれば、同じ時間・同じ場所で練習する人数を最小限に抑え、マスクを着用しなくてもいいように安全な環境を整えることが必要です。
選手が「マスクしないと怖いです」という不安を極力取り除いてあげられるような環境を作ってあげる。
それでもマスクを着用するのであれば、水分補給や休息を多めにとるなどの対策が必要でしょう。
新入生の運動期間中止の延長
若者の熱中症のハイリスク群は、
2.新入部員
です。
新入部員がなぜ熱中症になりやすいかと言うと、要因は様々ありますが、
2.受験等で運動休止期間がある
3.休みたいと言えない
等が考えられます。
中学から高校に上がり、運動強度が急に上がることを皆さんも経験したことがあるかもしれません。
また、中学生や高校生は受験勉強の為、半年近く運動をしていません。
そのような状態で部活動に参加し、運動強度についていけていないにも関わらず、新入部員だから弱音を吐けない。というのが大きな要因ではないでしょうか。
新型コロナの影響がなければ4月から部活動に合流していた新入部員が、6,7月と後ろにずれ込んでいます。
ただですら運動不足の新入部員が、さらに運動不足になる。
とても危険な状態だと感じています。
処置&対応策
2.運動再開後いきなり走り込み等をさせない
3.新入部員と他の部員を一括りにしない
これは指導者やトレーナーの配慮が一番だと思います。
昔ながらの指導者ほど、そのような配慮に欠けると感じている為、トレーナーやこのような知識のあるものがしっかりとコントロールする必要があります。
また、指導者が正しい熱中症の知識を身に付けることもとても大切だと感じています。
まとめ:新型コロナ後の運動では熱中症に要注意
今回は、特に部活動を行っている学生や社会人・プロスポーツ等のスポーツ選手向けの内容でした。
これは、運動愛好家の方々も例外ではありません。
例年通りの感覚で運動をしてしまうと、想像以上に体が適応出来ていないことを感じるかもしれません。
決して無理はせず、安全第一で運動を楽しみましょう!