2017年12月の朝日新聞に
『「腹筋運動」は腰痛の原因ー「上体起こし」を続けると椎間板を痛める』
という記事が掲載されたのをご存知でしょうか?
よく小中学校の体力測定などでも行う上体起こしが、実は腰痛の原因になるなんて驚きですよね..
むしろ腰痛予防として腹筋運動をしていた方もいるのではないでしょうか?
なぜ腹筋運動が腰痛の原因になるのか、解説していきます!
・上体起こしをしている
・腰痛予防のために腹筋運動をしている
・腰痛予防のために腹筋運動をしている
腹筋運動をして腹筋を鍛えれば、体幹が安定して腰痛予防になりそうだけどね!
目次
腹筋運動が腰痛の原因になる
この記事が発表される前から、行動に移していたのが、日本バスケットボール協会です。
2016年から指導者養成の場で腹筋運動(いわゆる上体起こし)を”推奨できないトレーニング”として周知を進めているそうです。
また、アメリカの軍隊でも上体起こしを取り入れていましたが、腰痛発生率が指摘され、体力テストから上体起こしが除外されたようです。
その代わりに導入される予定なのが、”プランク”です。
体幹トレーニングとして誰しもが知っているトレーニングかと思います。
では、なぜ急に「腹筋運動が腰痛の原因になる」と言われたのでしょうか?
それは、カナダの研究者Stuart McGill博士が発表した研究が元になっています。
腹筋運動は背骨に負担がかかる
McGill博士は、
「各種の腰部運動時に加わる脊椎圧縮負荷」
についての研究を発表しました。
その研究によると、上体起こしをした際に加わる脊椎圧縮負荷が3350Nだったと報告しています。
これはアメリカの国立労働安全衛生研究所が指定している処置限界の3300Nと同等の数値なのです。
この処置限界の数値を超えた負荷を繰り返すと、腰部損傷発生率が上昇するとされています。
しかし、どの程度の負荷をどのくらい繰り返すと腰部が損傷するかについての明確なデータはありません。
どのくらいで椎間板が損傷する?
Balkovecらは豚の脊柱で実験を行いました。
この研究によると、
”1500Nの軸圧を加え、屈曲-伸展を1万回繰り返した際に椎間板損傷が確認された”
と言うのです。
先ほども言いましたが、上体起こしでは約3000Nの負荷が加わることが分かっているので、理論的には5000回連続で上体起こしをすると椎間板が損傷することになります。
豚と人がまったく同じな訳はないので、あくまで理論上です…
ただ、既に椎間板の変性があったり、損傷がある方が腰痛を治そうと上体起こしを何回もやると、腰痛が悪化することは容易に想像がつくかと思います。。
上体起こしでは効果的に腹筋が鍛えられない
そもそも腹筋を鍛えたくて行っている上体起こしでは効率的に腹筋を鍛えることは出来ません!
上体起こしは、
腹部を折りたたむ+股関節を折りたたむ
運動の組み合わせなのです。
腹筋は腹部を折りたたむ時に収縮します。
なので、股関節を折りたたむ動きに腹筋は関係しないのです。
実際に上体起こしをやると分かりますが、腹部を折りたたむ動作は、上体起こしの5分の1程度。
残りの5分の4は股関節を折りたたむ動作ということが分かるかと思います。
そこで推奨されているのが、カールアップというトレーニングです。
上体起こしから股関節の動きを省いたトレーニングがカールアップになります。
これが腹筋の純粋な動きになります。
お臍を覗き込むように少し胸を丸めるだけです。
上体起こしに代わるトレーニングとは?
この記事でも既に出てきましたが、
プランクとカールアップ
はおススメです。
どちらも腰部に過度な動きがないことがポイントです。
腰や股関節を無理に大きく動かす腹筋運動はもう古いのです!
しかし、ここでの注意点が1つ。
決して呼吸を止めないこと
です。
プランクもカールアップもある程度腹筋を固めた状態でキープする運動になります。
そこで呼吸を止め、腹部周りを固めることはしてはいけません。
もちろん血管に負担がかかるということも理由の1つですが、呼吸を止めることで余計な部位にまで力が入ってしまい、本来の目的を果たすことが出来ません。
しっかりとトレーニング中に呼吸をすることで、インナーマッスルや横隔膜にも刺激が入ります。
結論:上体起こしは今すぐやめるべき
もちろん腹筋は大切です。
しかし、その鍛え方を間違えると、背骨に負担がかかりすぎてしまうため、どんな方法で腹筋を鍛えるかがとても大切になってきます。
もし、腰痛予防で上体起こしをしている方がいるのであれば、すぐに辞めましょう!
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