皆さんが学生時代、昼食に冷めたお弁当を食べていた方は多かったと思います。
温かいご飯が食べたいと思っていたかもしれませんが、実はこの冷めたご飯にはレジスタントスターチと言われる”でんぷん”が多く含まれていることが分かっています。
このレジスタントスターチですが、近年ダイエット面でも健康面でも注目されています。
今回はそんなレジスタントスターチを徹底解説していきます!
健康的に痩せたい方は、ぜひ取り入れておきたい栄養になります。
レジスタントスターチは簡単に増やすこともできるので、ぜひ最後までチェックしてみてください!
・レジスタントスターチについて知りたい
・腸内環境を整えたい
レジスタントスターチとは?
レジスタントスターチ(resistant starch;RS)は、
と定義されています。
その為、このレジスタントスターチは、
難消化性でんぷん/耐性でんぷん
とも呼ばれています。
分かりやすく言い換えると、
食物繊維の性質を兼ね備えた糖質
と言ったところでしょうか。。
でんぷんって何?
大きい括りで言ってしまえば”炭水化物”。
もう少し細かく説明すると、
グルコース、いわゆるブドウ糖がたくさん集まってできたものです。
ここでは深堀はしませんが、糖質の1種だと思っていただいて大丈夫です。
大腸に届くでんぷん
本来私達がでんぷんを摂取すると、唾液や膵液の影響を受け、小腸でほとんどが消化・吸収されます。
しかし、レジスタントスターチはそれらの影響を受けず、大腸まで届きます。
その後、腸内細菌により代謝され、短鎖脂肪酸に変えられます。
この短鎖脂肪酸には善玉菌を活性化させるなど、多くの働きがあります。
短鎖脂肪酸って何?という方はぜひこちらも併せてお読みください。
≫≫良質な脂質は健康・ダイエットに効果的!脂質の種類を理解し正しく取り入れよう
レジスタントスターチの効果4選!
ではでんぷんが大腸まで届くと体にとってどのような効果があるのでしょうか?
1.血糖値の上昇を抑える(ダイエット効果)
2.空腹感の抑制
3.便秘改善
4.腸内環境の改善
レジスタントスターチの効果①:血糖値の上昇を抑える
まず1つ目は、血糖値の上昇を抑える効果があるということです。
これはレジスタントスターチの定義のところにもありました、
”小腸の消化・吸収を免れて”
というところが深く関わります。
本来、でんぷんはあらゆる消化酵素によって消化され、最終的にはグルコースとなり小腸で吸収されます。
そして吸収されたグルコースは血中へ流れ、血糖値が上昇します。
しかし、このレジスタントスターチはほとんど小腸で消化・吸収されないので、そもそも血糖値に影響をあまり与えません!
過去の投稿で肥満の原因について少し深堀しましたが、一番はやはりインスリンです。
インスリンは血糖値の上昇に伴い分泌量が増えるので、血糖値の上昇を抑えるレジスタントスターチにはダイエット効果があるとも言えます。
私は以前にも”肥満とカロリーは関係ない”という記事を書いています。 ≫≫肥満とカロリーは関係なかった!?カロリー制限では…
レジスタントスターチの効果②:空腹感の抑制
2つ目は、空腹感の抑制です。
繰り返しになりますが、レジスタントスターチは小腸を通過し大腸まで到達します。
これは消化器官の滞在が長いともとれますね。
その為、レジスタントスターチを多く含む食材というの満腹感を感じやすく、空腹感の抑制に繋がります。
これも血糖値の上昇を抑えることと併せて、ダイエット効果があるとも捉えられますね!
実際に、レジスタントスターチに関する研究の副作用として、
膨満感
が報告されているくらいです。
レジスタントスターチの効果③:便秘の改善
効果の3つ目は、便秘の改善です。
レジスタントスターチは”食物繊維の性質を兼ね備えたでんぷん”と最初にお伝えしました。
実際にレジスタントスターチには、
・保水性を高め、排便を促す
作用が報告されています。
通常のでんぷんは大腸まで届きませんが、レジスタントスターチは大腸まで届くので、多くの場面で活躍してくれますね!
レジスタントスターチの効果④:腸内環境の改善
最後4つ目の効果は、腸内環境の改善です。
最初にも言いましたが、レジスタントスターチは大腸で短鎖脂肪酸に変えられます。
特にn-酪酸を増やすことが分かっており、このn-酪酸には
・大腸炎の抑制
効果が報告されています。
食物繊維やでんぷんにも、大腸がんの抑制効果は認められています。
しかし、この2つの性質を兼ね備えたレジスタントスターチには、より強い大腸がんの抑制効果が認められています。
他にも善玉菌といわれる、
も認められています。
このように乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、善玉菌を増やす効果があるものをプレバイオティクス食品と言います。
レジスタントスターチを多く含む食品は?
では、このレジスタントスターチを多く含む食材にはどのようなものがあるのでしょうか。
多く含む食材として有名なものは、
などが挙げられます。
白米にもレジスタントスターチは含まれますが、玄米の方が多く含まれています。
レジスタントスターチは冷めた時に増える?
さらにこれらの食材は、一度加熱してから冷ますと、
レジスタントスターチが増える
ことが分かっています。
再加熱すると再びレジスタントスターチの量は減ってしまうので要注意です。
その為、
・ポテトサラダ
などは、レジスタントスターチが通常よりも多いとされています。
なので、私達日本人が食べている?食べていた?
冷めたお弁当
は理にかなっていると言えますね!
結論:弁当や料理は再加熱せず食べるのも選択肢の1つ!
かなり優秀なレジスタントスターチですが、意外にも日本人は多く摂取出来ているかもしれません。
今は電子レンジがコンビニなどにもあり、いつでもお弁当を温められる環境にはなっていますが、冷めたまま食べてみるのもいいかもしれませんね。
あとはイモ類や豆類はやはり優秀!
特に納豆などの発酵食品は体に良い報告が多いですよね。
今後は納豆などにフォーカスした記事も書いてみようと思います。