よく糖質制限について調べると、こんなに良いことが!と謳う人と、こんなに悪いことが!と謳う人が多く、物凄く違和感を感じます。
どんなダイエット方法にもメリット・デメリットがあるものですが、どちらかに偏った記事が物凄く多いです。
私が中立な立場から、客観的に糖質制限ダイエットはどうなのか、まとめたいと思います!
・既に糖質制限ダイエットをしている方
・糖質制限ダイエットをしようと思っている方
・糖質制限は安全だと思っている方
糖質制限ダイエットは実際どうなの?
結局のところ糖質制限ダイエットはどうなの?と気になるところだと思います。
結論は、
長期&極端な糖質制限はデメリットが多い
です。
その理由を説明していきます。
糖質制限ダイエットとは?
そもそも糖質制限ダイエットとはどのようなものかと言うと、
にするダイエット法のことです。
一般的な糖質制限ダイエットは糖質の1日摂取量を70-130gに抑える方法が使われています。
また、極端に糖質の量を減らすケトジェニックダイエットでは、1食20g以下、1日では60g以下に糖質の量を減らすことが必要です。
炭水化物、糖質、糖類の違いがイマイチ分からない方はこちらの記事を読んで頂くと、すぐに理解出来るかと思います!
【関連記事】糖質と糖類は別物!ダイエットで気を付けるのは糖類?糖質?
なぜ糖質制限すると痩せるのか?
糖質を制限すると、食後の血糖値が上がりにくくなります。
血糖値が急上昇すると、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
このインスリンは、肥満ホルモンと呼ばれています。
インスリンは、血液中の糖分を細胞に取り込むよう促す作用がありますが、このインスリンが多く分泌されると、血液中の余った糖分は中性脂肪へ変換・貯蔵されてしまいます。
なので、
or
血糖値が急上昇している状態(=インスリンが大量に分泌されている)
が太る一番の原因なのです。
大事なのは血糖値よりもインスリン
昔からある誤解が1つ。
脂質もタンパク質も血糖値を上げると言われていましたが、現在の常識では、
と言われています。
これは科学的にも証明されており、アメリカでは常識となっています。
じゃあ糖質を制限すれば、血糖値が上がらないため太らないのでは?というとそうではありません。
肥満の原因になるのはあくまでインスリンであって、血糖値ではありません。
確かに血糖値が高ければインスリンも大量に分泌されるので、血糖値も大切なのですが、1番はインスリンです。
そして血糖値を上げないタンパク質や脂質ですが、なんと摂取するとインスリンが分泌されることが分かっています。
要は3大栄養素の全てが肥満ホルモンと呼ばれるインスリンの分泌を促すため、全て太る原因になるのです。
ただ、この中でも一番インスリンの分泌が少ないとされているのが脂質。
そして精製された炭水化物が世に多く出回り、血糖値を異常な程に急上昇させる食品が増えた今、糖質を制限し、脂質やタンパク質の量を増やす糖質制限ダイエットにはかなりのダイエット効果が期待できそうです。
ブドウ糖は脳の唯一のエネルギーではない
よく糖質制限をすると、脳のエネルギーがなくなるため
集中力が欠如する
頭がボーっとする
などと聞いたことがあるかもしれません。
今までは脳のエネルギーとなるのはブドウ糖だけだ。と言われてきました。
他のエネルギー源は脳の入り口である血液脳関門を通過できないとされていたのです。
しかし、そこを通過できる物質がブドウ糖以外にもいたのです。
そいつが
です。
脳はブドウ糖を優先的にエネルギーとして使いますが、不足した時にはこのケトン体がエネルギー源になります。
しかし、ケトン体は脂肪の合成や分解の時の代謝産物なので、ケトジェニックダイエットでは糖質を抑え、脂質をたくさん摂ることが必要になります。
糖が不足した時には糖新生やこのケトン体回路でケトン体をエネルギーとして利用します。
このケトン体回路を利用するにはかなり糖質を制限しなくてはいけないので、ケトン体を脳のエネルギーとして使いたい場合は、しっかりとケトジェニックダイエットのルールに従う必要があります。
糖質制限ダイエットのメリット
糖質制限ダイエットのメリットには以下のようなものがあります。
2.脂質が摂れるので、腹持ちがよく、満腹感が長続きする
3.消化管ホルモンにより、食欲が抑制される
4.精製された炭水化物漬けの日々から解放される
5.筋肉を維持しやすい
6.血糖値の上昇を抑えられる
7.カロリー制限に比べ、しっかりと食べられる
8.貯蔵脂肪をエネルギーとして燃焼する
特に赤色のところはメリットとして大事なところかなと思います。
短期的な減量に有効
糖質制限をすると、急激に体重が落ちます。その原因が
です。
1gのグリコーゲンを体内に貯蔵する時に3gの水と結合した状態で貯蔵されます。
糖質を制限することで、貯蔵してあるグリコーゲン⇒ブドウ糖+水になり、水が体外にでていくことで、体重が短期間で減ります。
そのため、短期的の減量には適していると言えます。
消化管ホルモンにより、食欲が抑制される
炭水化物>タンパク質>脂質
の順番で、消化・吸収速度が速いです。
そのため、脂質が一番胃に長く留まり、ゆっくり消化されていきます。
そして十二指腸内にこのように消化に時間のかかるタンパク質・脂質が流れ込むと、コレシストキニンという消化管ホルモンが分泌されます。
このコレシストキニンの役割の1つに食欲の抑制があります。
そのため、脂質やタンパク質の制限がない糖質制限ダイエットでは、食欲が抑制されやすく、比較的苦痛なくダイエットできると言えます。
しっかりと食べられる、筋肉を維持しやすい
基本的に糖質を制限すればいいので、脂質やタンパク質の摂取量には制限がありません。
なのでカロリー制限ダイエットに比べると、しっかりと食べられるのが特徴的です。
しかし、普段の食事から糖質だけをカットしてしまうと総摂取カロリーが低くなってしまうので、糖質を制限した分、脂質やタンパク質の摂取量は増やさなくてはいけません。
先ほども少し説明しましたが、体には糖が不足した時にエネルギーを作り出す経路が2つあります。それが、
2.ケトン体回路
です。
糖新生は、糖質以外の物質からエネルギーを作るため、筋肉が分解されやすいと言われています。
そのため、糖質制限ダイエットでは筋肉が分解されやすい!隠れ肥満を作ってしまう!とも言われているのです。
しかし、最近の医師の見解を調べてみると、ケトジェニックダイエットをしなくても糖⇒脂肪⇒筋肉の順番でエネルギーを使うため、筋肉はそうそう簡単には落ちないと言われています。
筋肉を落とさずにダイエットしている人にも
ファスティング(断食)
はいいとされています😊
え?筋肉落ちるじゃん!
と思いますが、そんな簡単に筋肉は落ちないとのこと。
だって昔だったら
食べ物ない→筋肉落ちる→捕食する力なくなる→もっと筋肉落ちる
で死んじゃいますからね😂— しーやん@健康系ブロガー (@trainer_blog) October 19, 2019
糖質制限のデメリット
では次に、デメリットについて見ていきたいと思います。
2.長期的に行うと死亡リスクが高まる
3.リバウンドしやすい
4.極端な糖質制限は低血糖症や摂食障害などの副作用がある
5.野菜、果物、食物繊維の摂取量が減るので栄養不足になりやすい
6.脂質とタンパク質の摂取量が増えるので、肝臓・腎臓の負担増
7.気分が憂鬱、怒りっぽくなる
8.体臭がキツくなる(ケトン臭)
9.長期的なダイエットはあまり期待できない?
10.食物繊維の摂取量が減る
1の日本人に馴染みがない。というのはやはりパンや米や麺が主食になりやすい日本では、それらを制限するのが大変という意味です。
いくつかデメリットをピックアップして説明したいと思います!
長期的に行うと死亡リスクが高まる
これが糖質制限ダイエットの一番のデメリットかもしれません。
糖質制限ダイエットを推奨する本やサイトには決して載っていない事実がこれなのです。。
多くのデータにおいて炭水化物のカロリー比を全体の三割以下に抑えると死亡リスクが急上昇する傾向は共通して見られる。軽い気持ちで #糖質制限 したり勧めたりしてはいけないのではないだろうか?
— 👉Toshiyuki Horie|堀江 俊之 (@ToshiyukiHorie) November 11, 2019
炭水化物のカロリー比を全体の3割以下に抑えると死亡リスクが急上昇し、逆に50-55%が一番死亡リスクが低いのです。
このことから全体のカロリー比の半分くらい炭水化物を摂った方が長生きできるということが分かります。
確かにお米を好む日本人の炭水化物摂取量は多く、長寿です。
必須炭水化物なんて言葉はないから必要ない!という意見もありますが、3大栄養素と呼ばれる炭水化物は身体にとって必要不可欠な栄養素だと言えると思います。
ただ、この情報だけを鵜呑みにしてしまうのも危険な気がします。
炭水化物を3割以下に抑えた食事を何年続けた時に死亡リスクが上がるのでしょうか?
こんな疑問を持ちませんか?
こちらの研究は2018年、Lancet誌に掲載されたもので、45歳~64歳の15,428名を対象に行った研究です。
そしてこの研究の期間ですが、25年間追跡調査を行ったとのこと。
このことから長期の糖質制限はかなりリスクがあるように感じます。
もしかしたら5年や10年でも死亡リスクが高まるかもしれませんので、個人的には短期的な糖質制限にすべきだと思います。
リバウンドしやすい
これは意志の問題かもしれません。笑
厳しい糖質制限をすればするほど、糖質制限を辞めた時の反動が強くなるようです。
甘い物やお米をたくさん食べることにより、大量のブドウ糖を体内に取り入れることになるので、
として体内に貯蔵されます。水分もくっつくため、体重が増えやすいとも言えます。
また、ケトジェニックダイエットをした3分の2の人が元の体重以上になったとされる研究もあるようです。
野菜、果物の摂取量が減るので栄養不足になりやすい
実は野菜にも糖質が多く含まれる物がいくつかあります。
そして極端な糖質制限をした場合、野菜や果物の摂取量が減ってしまうので、栄養不足になりやすいです。
果物には糖質が多く含まれており、太るから食べない!という方もいますが、意外に血糖値の上昇は緩やかなのです。
GI値の誤解
よく聞くGI値とは、炭水化物を摂取した時の血糖値の上昇具合を表した数値です。
と言われていますが、真相は違います。
GI値は厳密には、「炭水化物を50g摂取したときの値」なのです。
スイカやりんごやみかんなど水分を多く含む果物には50gも炭水化物が入っていません。
例えばりんご1個には15gの炭水化物が含まれています。
なので、正確にはりんご3個食べた時の血糖値の上昇具合がりんごのGI値となります。
意外に果物は太る原因にはなりにくいと言えると思います。
しかし、ここで注意が必要なのはジュースは危険ということ。
人の手が加わり加工されてしまうと、血糖値を急上昇させるお化けに大変身します。
極端な糖質制限ではない限り、栄養不足にならないよう、加工されていない果物も摂取するのがいいのではないでしょうか。
GI値について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
【関連記事】グリセミック指数を徹底解説!GI値が低い食品=太らないは嘘?
長期的なダイエットはあまり期待できない?
いくつかの研究で、
と言われています。
短期的なダイエットには向いている糖質制限ですが、長期的な目で見ると脂質を抑えた人とさほど変わらないようです。
結論:長期的な糖質制限ダイエットは危険!
今までの内容を見てみると、やはり
長期&極端な糖質制限はデメリットが多い
と言えると思います。
また、糖質制限までいかなくても、
精製された炭水化物を減らす
ことはダイエットにおいてかなり大事だと思います。
先ほどジュースは血糖値を上げやすいと言いましたが、ジュースも精製された炭水化物ですし、白米を玄米に変えたり、全粒粉のものを選んだりすることが大切なのではないでしょうか。
糖質を抑えるか、脂質を抑えるか、カロリーの摂取量を減らすのか。
人それぞれに合ったダイエット方法があると思うので、自分に合ったダイエット法で無理なく行いましょう!