突然ではありますが、皆さん日光浴していますか?
現代では、過敏に太陽の光に反応し、極端に光を避ける人が増えたように感じます。
また、そのような対策グッズも多く販売されていますよね。
しかし、私達は適度に太陽の光を浴びた方がいいのです!
太陽の光を浴びることで得られる効果が多く報告されております。
今回はそんな効果をより簡潔に分かりやすくまとめます。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
・太陽の光を極端に避けている
・外にでる時間が少ない
太陽の光の知られざる効果とは?
では、適度に太陽の光を浴びることで、体にとってどんないい効果があるのでしょうか?
今回の記事では、3つの効果をご紹介します!
- ビタミンDが生成され免疫力向上
- セロトニンの生成を促し、幸福度向上
- メラトニンの生成を抑制し、睡眠の質向上
太陽の光の効果①:ビタミンDの生成
ビタミンDは食事から摂取する以外に、
ことで、体内で生成することができます。
ビタミンDには主に、
- 骨や歯を丈夫に発育促進させる
- 小腸でカルシウム・リンの吸収を促進し、血中カルシウム濃度を維持する
- 免疫細胞の働きを正常化
・新型コロナウイルス対策
花粉症の症状改善
花粉症とは花粉に体が過剰に反応してしまっている状態です。
ビタミンDの効果により、免疫細胞を正常化することでこれらの過剰反応を抑え、花粉症の症状が改善すると言われています。
個人差はありますが、サプリメントを摂取して1時間もたたないうちに、症状は改善されてきます。私のクリニックでもスギ花粉症や通年性の慢性鼻炎に悩む患者さんにビタミンDサプリメントを試してもらったのですが、1カプセル1000IUのサプリメントを2~4カプセル摂取してもらうと、なんと30分~1時間で鼻どおりが改善されました。
実際にこのように症状が改善されたとする報告が多くされています。
食事やサプリメントからビタミンDを摂取することも大切ですが、太陽の光を浴びることも同じくらい大切になります。
具体的な摂取量などは別記事で説明しておりますので、そちらをご覧ください。
新型コロナウイルス対策
最近のホットな話題だと、
という研究結果もでています。
☑ビタミンD不足=コロナに感染しやすい
かと言われると、そこは断定できません。
ただ、やはりビタミンDが不足していていい理由はありません。
対策として外出を自粛される方も多いですが、適度に外へでて太陽の光を浴びることは絶対に必要です。
それはビタミンDだけでなく、この後説明するメラトニンやセロトニンもとても重要なホルモンだからです。
どうしても外へ出たくない!という方は食事やサプリメンからの摂取を意識しましょう!
太陽の光の効果②:セロトニンの生成
セロトニンは、必須アミノ酸(EAA)の1つであるトリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質です。
セロトニンは分泌が多いとメンタルに良い影響を与えることから”幸せホルモン”とも呼ばれています。
そして、このセロトニンを増やす方法には主に、
- 運動する
- 太陽の光を浴びる
- たんぱく質+炭水化物
特に午前中はセロトニンの分泌量が高いので、午前中に太陽の光を浴びることがポイントです!
セロトニンについては記事にしていないのですが、私のInstagramで少し詳しく説明しています。
この投稿をInstagramで見る
セロトニン不足による不調
セロトニンが不足することによる体調不良として
というものがあります。
ウインターブルーとは季節性の感情障害で別名”冬季うつ”や”季節性感情障害”と呼ばれています。
通常の鬱病とは違い、気温が下がってくる秋~冬(10-3月)にかけて多くなります。
ウインターブルーも鬱病と同じく気分の落ち込みはありますが、
過眠
体重増加
などの症状が出ることが大きな特徴になります。
このウインターブルーの一番の原因が、
ことだと言われています。
要はセロトニン不足です。
これは冬場の日照時間が少ないこととも関係していそうですね。
ウインターブルーについては、こちらの記事で詳しく説明しています。
≫≫冬場の体調不良はウインターブルー(冬季うつ)かも?女性の方が要注意
女性はセロトニン不足になりやすい
先ほどのウインターブルーですが、男性よりも女性の方が3倍リスクが高いと言われています。
そもそも男性よりも女性の方がセロトニンが少ない傾向にあると報告されています。
これは女性ホルモンなどの影響も関係しているそうです。
その為、後ほど説明しますが、女性の
は逆にセロトニンの量を減らし、精神疾患になりやすくなるので要注意です。
太陽の光の効果③:メラトニンの分泌抑制
今までは特定の栄養素やホルモンの分泌促進でしたが、今回は抑制です。
このメラトニンというホルモンは
光を浴びることで分泌が抑制され、暗くなると分泌量が増える
ことが分かっています。
そしてこのメラトニンには、
- 睡眠の質向上
- 抗酸化物質としてホルモンバランス改善
- 記憶の定着
- 骨形成の関与
メラトニンと睡眠の関係
メラトニンは暗くなり、寝る時間が近づくにつれ、分泌量が増えていきます。
メラトニンには、
脈拍/体温/血圧を低下させ、睡眠の準備をさせる
という機能があり、質の高い睡眠をとる上で欠かせないホルモンであり、”睡眠ホルモン”とも呼ばれています。
このメラトニンは先ほど説明したセロトニンから生合成されます。
ということは、
- 日中に太陽の光を浴びる
- セロトニン分泌促進、メラトニン分泌抑制
- 暗くなるとセロトニンからメラトニンが生合成
- 寝る時にメラトニンの分泌量が増加
- 質の高い睡眠がとれる
特に高齢者はメラトニンが不足しやすいので、日中の日光浴はとても大事になります。
高齢者の”寝つきが良くない”は、メラトニン不足が関係していると指摘されていますね。
メラトニンは食事から増やせる?
海外では、メラトニンはサプリメントとして普通に売っていますが、日本では医薬品扱いになります。
その為、日本では小児用に販売されている「メラトベル」だけで、成人用のメラトニンサプリメントは販売されていません。
ただAmzonなどで”メラトニン”と検索すると、睡眠用サプリメントが何種類も販売されています。
これは一体どういうことなのでしょうか?
まずはメラトニンからセロトニンが生合成される機序を見ていきましょう。
このような順番でメラトニンが生合成されます。
睡眠用サプリメントには、この機序の大元である「トリプトファン」が含まれていたり、脳の興奮を鎮める「GABA」が含まれています。
直接メラトニンが摂取できないので、間接的に増やそう!ということですね。
ただ、トリプトファンを摂ればとるほどメラトニンが多く分泌されるかというと、そんなことはありません。
その為、これらのサプリメントは気休め程度だと思っておきましょう。
太陽の光を浴びる際の注意点
ここまで見てくださった方は、太陽の光を浴びようと少しでも思っていただけたはず。。
ただし、少し注意しておくべき点がいくつかあります。
- 皮膚癌のリスクを高める
- 窓ガラス越しではビタミンDが生成されない
- UVBカットの日焼け止めも同様
- ブルーライトのメラトニン抑制作用は強力
皮膚癌のリスクを高める
最大のデメリットが”皮膚癌のリスクを高める”ということ。
あとはシミなどの原因になる。ということも皆さんがひっかかるところかなと。
確かに、これは紛れもない事実です。
国際がん研究機関(IARC)の発表に「太陽光暴露」は発がん性ありとちゃんと記載があります。
私個人の意見としては、太陽の光を完全にシャットダウンできないのだから、適度に付き合っていこうよ。ということ。
光を避けることで、皮膚癌のリスクは下がるかもしれませんが、日本人に多い癌は
女性;大腸、肺、膵臓
ですから。
適度に太陽の光を浴びることで得られるメリットの方が大きいと思っています。
発がん性のあるものについては、こちらの記事で説明しています。
皆さん、現在死亡原因の1位は何の病気か知っていますか? ひと昔前までは、「脳血管疾患」がずっと1位でしたが、近年の1位は…
窓ガラス越しではビタミンDが生成されない
ビタミンDを生成してくれるUVBは窓ガラスを通過できません。
その為、ビタミンDの生成を目的とするのであれば、外にでて太陽の光を浴びることが重要になります。
UVBカットの日焼け止めも同様です!
日焼け止めも過度に塗布することでビタミンDの生成は抑制されてしまいます。
ブルーライトのメラトニン抑制作用は強力
太陽の光はメラトニンの分泌を抑制するとお伝えしましたが、
があります。
つまり、寝る前のスマホやPCのブルーライトはメラトニンの分泌を抑制し、睡眠の質を著しく低下させます。
せっかく日中太陽の光を浴びていても、ブルーライトで帳消しにされてしまうので要注意ですね。
結論:適度に太陽の光を浴びよう
結論これにつきます。
確かに太陽の光を浴びることでのデメリットは存在します。
しかし、メリットを打ち消す程のデメリットだとは思いません。
むしろ適度に太陽の光を浴びることは体にとって良い効果の方が多いです。
ぜひ皆さんも極端に太陽の光を避けるのではなく、適度に光を浴びて、良いサイクルで1日を過ごしていきましょう!