皆さんストレッチはしていますか?
新型コロナの影響で自宅にいる時間が増え、自宅でストレッチや筋トレを始めた方も多いのではないでしょうか?
「ストレッチをすると血行が良くなって肩こりや筋肉のこりが取れる」
「怪我の予防ができる」
などと聞いたことがあるかと思います。
しかし、ストレッチの種類や行うタイミングを間違えると、逆に健康に悪いものになってしまう可能性があるのです。
この記事では、ストレッチのデメリットを取り上げ、どの種類やタイミングで取り入れればいいのか解説していきます!
最初にストレッチの種類の説明をするので、結論を知りたい方は目次でとんでください!
・静的ストレッチしか行っていない
・とりあえずストレッチをしている
ストレッチとは?
体のある筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、呼吸を整えたり、精神的な緊張を解いたりするという心身のコンディション作りにもつながるなど、様々な効果がある
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%81 より抜粋
上記はWikipediaから抜粋した文ですが、要は
をストレッチと言います。
ここで重要なのが、”良好な状態にする目的”ということです。
要は不適切な長さになった筋を良好な状態にする為にストレッチを行うので、何かしたらの良い反応が得られるのです。
既に伸び切っている筋をさらに伸ばしてしまうと、逆にデメリットの方が大きくなる可能性もあることを忘れてはいけません。
ストレッチの種類
ストレッチと一言でいっても、実は様々な方法があります。
全て筋肉を伸ばす行為ではあるのですが、目的によって使い分ける必要があります。
1.スタティック(静的)ストレッチ
2.ダイナミック(動的)ストレッチ
3.バリスティックストレッチ
4.PNF(ストレッチ)
主にこの4つの種類があります。
それぞれ説明します!
スタティック(静的)ストレッチ
スタティックストレッチは静的ストレッチとも呼ばれています。
その名の通り、
反動や弾みをつけずに、筋肉をゆっくり伸ばすストレッチ方法
となっています。
いわゆる世間一般的なストレッチは、この静的ストレッチのことを指します。
この静的ストレッチの特徴としては、
- 伸張反射が起こりにくい
- 筋肉痛になりにくい
- 柔軟性の改善効果が得られやすい
ということが挙げられます。
安全かつ、効果的に柔軟性を獲得することができるのがこのスタティックストレッチです。
伸ばされ過ぎると筋肉が切れちゃうからね!
ダイナミック(動的)ストレッチ
ダイナミックストレッチは動的ストレッチとも呼ばれています。
ダイナミックストレッチは、伸ばしたい筋肉とは反対にある筋肉を意識的に収縮されることで、伸ばしたい筋肉が弛緩する「相反性神経支配」を利用したストレッチです。
図のように足を前に振り上げる時は、前ももの筋を使いますが、その時裏ももがストレッチされる感じはないでしょうか?
これを利用したのがダイナミックストレッチです。
文字だけだとイメージがつきにくい方は、動画を見て頂くと分かりやすいかと思います!
このダイナミックストレッチの特徴としては、
2.筋温が上がる
3.神経伝達速度が上がる
ということが挙げられます。
要は運動前に適したストレッチ方法と言えますね!
バリスティックストレッチ
バリスティックストレッチは、反動や弾みをつけて行うストレッチ方法のことです。
こちらはダイナミックストレッチと似ているので、広義の動的ストレッチと言えます。
2人1組でお互いに押し合うストレッチがありますが、それがこのバリスティックストレッチにあたりますね。
これもイメージがつきにくい方は動画をご覧ください。
ダイナミックストレッチでは、伸ばしたい筋肉と反対の筋を収縮することで、目的の場所がストレッチされるというものでした。
しかし、このバリスティックストレッチでは、反対の筋を意識する必要はありません。
伸ばしたい筋を伸ばすために、弾みや反動をつけているのです。
このバリスティックストレッチの特徴としては、
ということが挙げられます。
実際のスポーツや運動では伸張反射が起こるので、それを引き出せるストレッチとして有効ですね!
PNF
PNF(固有受容神経筋促進)は、元々脳卒中のリハビリとして使われていたもので、これをストレッチを応用にしたものがあります。
実際にリハビリで使われているPNFとはかなり違う方法にはなりますが、別名徒手抵抗ストレッチとも呼ばれたりします。
徒手抵抗なので、基本的にはペアで行うストレッチ方法です。
1.痛みがなく、やや張りを感じるストレッチポジションからスタート
2.競技者は徐々に力を発揮し、それに対しパートナーが抵抗を加える
3.力を抜きリラックスする
4.リラックスしている間にパートナーがストレッチをする
というのが一連の流れになります。
ストレッチする筋を事前に収縮させることで、筋や腱にある感覚受容器が刺激され、弛緩作用が高まり、大きなストレッチ効果を得られることができます。
ストレッチの目的・効果
ストレッチを行う目的は、
- コンディショニング
- リハビリテーション
- 傷害予防
の3つに集約されるかと思います。
コンディショニングには、肉体的なものだけでなく心理的な面もありますよね。
具体的にどのような効果が得られるかというと、
2.関節可動域の増大
3.抹消循環の促進
4.怪我の予防
5.スポーツパフォーマンの向上
などが挙げられます。
ただこれらの効果については未だに議論が絶えないのも事実です。
ストレッチは健康に悪い?
このように一見メリットしかなさそうなストレッチですが、タイミングや種類の選択を間違えると健康に悪いものになってしまうかもしれません。
1.運動前の静的ストレッチ
2.怪我予防の静的ストレッチ
3.筋が硬いからストレッチ
1つずつ説明していきます!
運動前の静的ストレッチ
これはかなり常識になってきましたよね。
運動をする前に、ゆっくりと筋肉を伸ばすようなスタティックストレッチをしてはいけません。
その理由としては、
です。
だいたい静的ストレッチを30秒以上行うと、パフォーマンスの低下が見られるという研究結果が多いです。
ここでいうパフォーマンスとは、
・ジャンプの高さ
・ベンチプレス、レッグプレス時の筋力
等が低下した状態のことを指します。
要は、運動前の30秒以上の静的ストレッチは、力が発揮しにくくなるのでやめましょう。ということです。
静的ストレッチの後に動的ストレッチ
一番は、運動前に静的ストレッチをしないことです。
しかし、どうしても運動前にゆっくりと筋肉を伸ばしたい場合、静的ストレッチの後に動的ストレッチを取り入れることで、デメリットを相殺することができます。
静的ストレッチのみと静的⇒動的ストレッチを行った場合を比較すると、動的ストレッチを行った方が有意にパフォーマンス向上の効果ありです。
怪我予防の静的ストレッチ
ストレッチをすると筋が柔らかくなり、可動域も広がるから怪我の予防になる。と思いませんか?
実は、
のです。
むしろ怪我のリスクを高める可能性もあることから、やはり運動前に静的ストレッチを行う意義はほぼなさそうです。
逆に動的ストレッチは怪我の予防に効果があるという報告もあることから、運動前には動的ストレッチを積極的に行うのがいいでしょう。
筋が硬いからストレッチ
可動域を広げたいからストレッチは全然ありだと思います。
しかし、筋を触って硬かったからストレッチは、時として悪になることもあります。
筋を触った時に硬く感じる原因には主に2つあり、
2.筋が伸びて硬くなってる
という2パターンです。※例外あり
縮んで硬くなっているのはなんとなくイメージができるかと思います。
伸びて硬くなっているというのは、いわゆる輪ゴムがピーンと張った状態ということです。
要は、既に筋がストレッチ状態にあるということです。
この状態の筋にさらにストレッチを加えることは、体のアンバランスや至適筋節長の観点からあまり体に良いとは言えません。
結論:運動前の静的ストレッチは健康を害するかも
運動前に行う静的ストレッチは、パフォーマンスや怪我予防の観点からもあまり推奨されるものではなく、むしろ健康を害する可能性があります。
静的ストレッチが悪な訳ではなく、行うタイミングによっては素晴らしい効果を発揮してくれます。
ただ、万能薬ではないということ。
運動前は動的ストレッチを積極的に行うようにすることと、筋を触って硬いからとむやみにストレッチはしないこと。
この2つを気を付けて頂ければと思います!