口呼吸って何となく悪そうだけど、具体的にどんなデメリットがあるのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
実は口周りのデメリット以外に、肩こりや便秘にも関係していると言われているのです。
以前にも「鼻呼吸のメリット、口呼吸のデメリット」について記事を書きました。
≫≫口呼吸で顔が変わる?口呼吸のデメリット・鼻呼吸のメリットを徹底解説!
今回は前回よりもより詳しく、さらにグレードアップした情報をお伝えします。
5人に1人は口呼吸になっている(個人的にはもっと多いと思ってます)と言われているので、私は関係ないと一概には言えないかもしれません。
さらに免疫系にも関与するので新型コロナが流行している今、ぜひ多くの方に読んで頂きたいです!
あなたの口呼吸に対する向き合い方が絶対に変わります!
・いびきをよくかいていると言われる
・肩こり、便秘に悩まされている
口呼吸のデメリット7選
まず、細かいデメリットを挙げればとても7つでは収まりません。笑
それくらい口呼吸による弊害は多くあります。
なぜ口呼吸になってしまうのかについては、この記事の後半で解説したいと思います。
では、さっそく口呼吸のデメリットを7つご紹介します。
2.歯並びが乱れる
3.歯や歯茎の病気になりやすい
4.口臭の原因となる
5.いびきや睡眠障害の原因になる
6.便秘になる
7.肩こり・腰痛の原因になる
1つ1つ解説していきます!
口呼吸のデメリット①、②
まず1つ目と2つ目が、顔の形が変わる(子供)と歯並びが乱れるです。
起きる機序は同じなので、2つまとめて説明します。
まず皆さん、口を閉じた時に舌の位置ってどこにありますか?
下の図の左が正しいポジション。右側が誤っているポジションになります。
本来であれば、下が上顎にくっつき、内側から歯を支えるような形になっています。
しかし、口呼吸になると舌が下がり、頬からの圧力により歯が内側に押し込まれてしまい、歯並びが乱れます。
なぜ口呼吸だと舌が下がるのか。理由はシンプルで口周りの筋が弱化するからです。
そして先ほど説明した逆のことが起こる可能性もあります。
それは口周りの筋が弱化し、外側からの圧が弱くなり、内側から歯が押し出され出っ歯になる可能性があるということです。
どう顔の形が変化する?
この少年はアレルギーが発症し、口呼吸に変わってから右のように顔が変わってしまいました。かなりの変化ですよね。
具体的にどのような変化が起きるかというと、
2.鼻が曲がる
3.気道が狭くなる
4.顔が垂れる
5.目が垂れる(疲れた目をする)
などです。
3つ目の気道が狭くなることで、後ほどにも説明する睡眠障害に繋がっていきます。
いかがでしょうか。
もちろん走った後、運動した後の口呼吸は正常な反応です。
お子様の安静時の口呼吸はぜひ注意深く見ていきましょう。
口呼吸のデメリット③、④
3つ目と4つ目が、歯や歯茎の病気になりやすいということと、口臭の原因になるということです。
皆さんの口の中にある唾液はとても優秀で、口の中を洗浄してくれたり細菌と闘い、歯周病などから歯を守ってくれています。
しかし、口呼吸をしている人は口の中が乾燥し、細菌が繁殖し放題となっており、歯周病などの歯や歯茎の病気になりやすいです。
また唾液による口の中の洗浄も行われないので口臭や歯の黄ばみの原因にもなります。
実は口の中だけの問題でなく、口呼吸をしている人はインフルエンザの罹患率が2倍以上になるとも言われています。
ということはもちろん風邪の罹患率も高くなりますし、多分新型コロナにも大きく関わってくると思います。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
≫≫口呼吸でインフルの罹患率が2倍以上に!5人に1人がしている口呼吸の改善法とは?
逆に鼻呼吸に変えることで、
・空気を温め、湿度を上げる
・細菌やバクテリアを除去する
等のメリットがあり、先ほどの口呼吸の筋弱化からの顔変形や、インフルや歯周病などの病気のリスクを下げることができます。
口呼吸のデメリット⑤
5つ目は、いびきや睡眠障害の原因になるということです。
これは先ほど説明しましたが、口周りの筋が弱化し舌が下に落ちるることで、寝ている時に舌により気道が閉鎖されやすくなります。
また、顔の変形で気道の閉塞が起こり、これによってもいびきや睡眠障害が起こりやすくなります。
いびきや無呼吸症候群などの睡眠障害により睡眠の質が落ちることで、
・疲れが取れない
・イライラする
という症状にも繋がっていきます。
実は睡眠の質が悪いなと感じている方はベッドや枕の問題や、睡眠時間の問題以外に口呼吸という根本の原因があるのかもしれません。
睡眠の重要性についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
≫≫最高の睡眠が最高の覚醒をもたらす!睡眠不足は太るし不健康になるから今すぐやめるべき
≫≫睡眠不足で死亡率が上昇する?意外と知らない睡眠不足が招くリスクとは?
口呼吸のデメリット⑥
6つ目が、便秘になるということです。
さて、ここからはかなりマニアックな内容になっていきます。
まず鼻呼吸と口呼吸では、はるかに口呼吸の方が楽で、呼吸をたくさん肺に送り込めます。
それは皆さんが運動して疲れている時、鼻呼吸ではなく口呼吸をすることからも分かるかと思います。
逆に考えると鼻呼吸は通り道が狭く、頑張って呼吸しないと息を吸えない。
すなわち呼吸筋をしっかりと使わないと息が吸えないとも言えます。
そして呼吸筋の主役を務めるのが横隔膜です。
要は口呼吸は横隔膜がしっかりと使えなくても息が吸えてしまうので、横隔膜の機能が低下しやすいということです。
他にも姿勢不良や運動不足なども横隔膜の機能低下には大きく関わっています。
横隔膜が動くと内臓が動く
まずこちらの動画をご覧ください。
横隔膜がしっかりと動くと、その下にある臓器全体も大きく動いているのが分かるかと思います。
横隔膜を正しく機能させることで、その下にある腸などの臓器が活性化し、今回のテーマに限って言及すれば便秘を改善できる可能性があるということになります。
実際に便秘の方に呼吸トレーニングは有効であったとする研究結果も報告されています。
骨盤底筋群が臓器を下支えしている
腹部の天井を構成するのが横隔膜、周りには腹筋群、そして下には骨盤底筋群があります。
横隔膜が動くと臓器も動くと説明しましたが、横隔膜に押された臓器を下から支えているのが骨盤底筋群になります。
要は横隔膜が動けばその分骨盤底筋群も活動するし、横隔膜が動かなければ骨盤底筋群も活動が低下するということです。
横隔膜が機能しないと機能性便排出障害に陥ると言われており、便秘の大きな原因となります。
これらをまとめると
・腸が活性化しても出口の骨盤底筋群が機能しないと便がうまくでてこない
・骨盤底筋群は横隔膜がしっかりと動けば機能する
・横隔膜は口呼吸ではあまり機能しない。大事なのは鼻呼吸。
ということになります。
口呼吸のデメリット⑦
最後が肩こり・腰痛の原因になるです。
まずは腰痛に関してですが、先ほどの横隔膜が大きく関与します。
図の左側のように、上にある横隔膜と下にある骨盤底筋群がしっかりと機能することで、腹腔内圧が高まります。
腹腔内圧が高い状態というのは、まるでお腹の中に風船があるかのように内側から体幹を支えてくれるので体幹が安定するのです。
腹腔内圧が高い状態では、腹部は360°拡張します。
逆に内圧が低い状態だと、腹部は前面だけ拡張したりする為、反り腰が助長され腰痛の原因になります。
といった流れになります。
口呼吸で肩こり?
次に肩こりについてです。
これも横隔膜が深く関与します。
横隔膜が呼吸筋の主役でしたが、その主役が機能しないと、脇役がその分を補おうと頑張ります。
そして脇役はいくつかありますが、その中に胸鎖乳突筋や斜角筋という首に付着する筋があります。
人は1日約2万回呼吸をすると言われています。
呼吸で肺を膨らまれる度に首周りの筋が胸を膨らませる為、首回りの筋は常に緊張状態。
1回1回の動きは小さくても、2万回の呼吸で毎回首の筋肉を使っていたらどうなるかは簡単に想像ができるかと思います。
横隔膜がしっかりと機能すれば肩こりも改善することは多いにあります。
なぜ口呼吸になってしまうのか
ではなぜ私達は知らぬ間に口呼吸になってしまうのでしょうか。
原因は本当に多様ですが、主に
・運動不足
・姿勢不良
などが考えられます。
アレルギーは、アレルギー反応により鼻が詰まってしまうことが原因です。
放っておくのではなく、適切な治療を早期から行いましょう!
運動不足
現代人の運動不足は深刻です。
車、自転車、電車での移動が多くなり、休日も1日中家でゴロゴロ….
階段を少し上っただけで息切れをし、電車に駆け込んだ際には肩で大きく息を吸うようにゼーゼー。
現代人は必要以上に大きく呼吸をしすぎており、呼吸過多だと言われています。
呼吸過多の人は二酸化炭素への耐性が低く、体の中の酸素が少しなくなるだけですぐに呼吸がしたくなります。
その為、そのような人にとっては効率的に酸素を取り込める口呼吸を優位に使ってしまう癖があるようです。
≫≫正しい深呼吸のやり方を伝授!ほとんどの人が間違った深呼吸をしている?
姿勢不良
電車の中を見渡すと、9割以上の人が下を向きスマホを触っています。
背中は丸まり、肩は前にでて胸が縮こまっている。
胸や首周りの柔軟性は失われ、筋肉は硬直状態。
呼吸時に胸がしっかり開かない、横隔膜が正常に機能しない。
結果、正しい呼吸が行えず呼吸筋や口周りの筋が弱化し、気付いたら口呼吸に。
≫≫運動が健康に良い理由5選!運動をすれば体が健康になっていく科学的根拠とは?
≫≫【デスクワーカー必見】姿勢が整うグッズ3選!首・肩こり対策は環境整備から
口呼吸の対策
口呼吸の対策ですが、先ほど述べた運動不足や姿勢不良など、根本の原因を改善することが第一になります。
無意識下、睡眠時の口呼吸対策については、口呼吸防止テープ優秀です。
原始的な方法で口にテープを貼り、寝ている間に口が開かないようにしてしまおうという作戦です。
肌荒れなど気にならない方はセロハンテープみたいなものでもいいかもしれません。
ただ、専用の口呼吸防止テープも売っているので、肌が弱い方はそちらを使うようにしましょう。
口呼吸になっているかどうかのチェック法はこちらの記事をご覧ください。
皆さん深呼吸をしますよね?実はその深呼吸が、体に悪影響を及ぼす可能性があります。現代人は呼吸量が増えている、いわゆる呼吸…
結論;日常的な口呼吸にメリットはない
運動した直後の口呼吸は正常な反応です。
しかし、日常的に口呼吸をしていてもメリットは何1つありません。
あります。
ぜひ口呼吸をしてしまっている方は、いますぐに改善しましょう!