皆さん一度は聞いたことがあるであろう
体内時計
という言葉。
これは生まれつき私たちの体の中に備わっている時間を測定する仕組みのことです。
しかし、この体内時計はなぜか24時間サイクルになっていません。
その為、この体内時計と実際の1日24時間のサイクルのズレを調整する必要があるわけです。
そのズレを調整する鍵として
があります。
今回は体内時計をリセットする方法について詳しく解説していきます!
・日中のパフォーマンスを上げたい
・睡眠の質を上げたい
体内時計とは?
先ほども言いましたが、体内時計とは
生物が生まれつき備えていると思われる、時間を測定する仕組み
のことを言い、
とも言われています。
私たちは時計や照明の変化のない環境で生活すると、24時間よりも少し長い周期で生活するようになります。
この周期は、約25時間と言われることが多いですが、
24.1時間や24.5時間
と言われています。
※最近の研究では24時間11分。
私たちの1日24時間のサイクルとは若干のズレはあるものの、元々体内に約24時間のリズムが備わっているというのは大変興味深いですよね。。
時計遺伝子が存在する
実際に私達の体には
と呼ばれる、体内時計をつかさどる遺伝子が存在することが分かっています。
そしてこの体内時計は、すべての細胞/臓器にあると言われています。
そしてこれらの細胞/臓器にある末梢の体内時計をコントロールしている中枢は、
脳の視床下部の視交叉上核
(suprachiasmatic nucleus:SCN)
に存在します。
視交叉上核は光の情報を目から受け取る場所であり、その情報を他の情報と統合し、松果体へ送っていると考えられています。
この松果体は睡眠ホルモンと呼ばれる”メラトニン”を分泌する場所です。
その為、目からの光刺激というのは睡眠にも体内時計にも深く関わるということが分かります。
メラトニンについては、過去の記事で詳しく解説しています!
≫≫睡眠に深く関わるメラトニンの作用とは?認知症や骨粗鬆症とも関係があった?
時差ボケとは?
時差ボケとは自分の体内時計と、実際の時間とズレが生じた状態のことを指します。
この時差ボケというのは、主に海外旅行に行った際に起こりやすいです。
特に東方向へ向かう場合は1日の周期が強制的に短くなり、時差ボケが起こりやすくなります。
しかし、この時差ボケは移動距離が長い場合以外にも起こります。
それが、
です。
要は夜更かしなどをしてしまう方がこの状態です。
あとは夜勤がある仕事をしている方も慢性的にこの状態になっているかと思います。
本来人間が寝る時間に起きて、起きなくてはいけないタイミングで起きられない。
この社会的時差ボケが大きいほど、
と相関関係があると言われています。
体内時計リセットの鍵は光と運動と食事
毎日毎日、私達の体内時計と、現実24時間サイクルの時計には少しずつズレが生じます。
その為、毎日ズレた体内時計をリセットする必要があるわけです!
そして、このズレをリセットしてくれるものが
- 光
- 運動
- 食事
の3つです。
1つずつ詳しく解説していきますね!
体内時計リセット①:光
まず1つ目が「光」です。
太陽の光は、体内時計のズレを調整してくれると言われています。
さらに、太陽の光を浴びることで、
・「睡眠ホルモン」メラトニンの抑制
がされます。
この2つはかなり密接に関係しており、日中にセロトニンをしっかりと分泌させておくことで、夜にかけてメラトニンの分泌量が高まります。
メラトニンには、
などを低下させ、睡眠の準備をさせる作用があります。
そのため、朝光を浴びてこのメラトニンの分泌を抑制することで、体が覚醒モードになる。
そして夜にメラトニンの分泌量が高まり、体が睡眠モードになる。
このメリハリが大事なわけです。
そこで重要になってくるのが「光」ということですね!
太陽の光を浴びることは他にも多くのメリットがあります。
ぜひ過去の記事もチェックしてみてください!
突然ではありますが、皆さん日光浴していますか? 現代では、過敏に太陽の光に反応し、極端に光を避ける人が増えたように感…
トリプトファン→5-ヒドロキシトリプトファン→セロトニン→N-アセチルセロトニン→メラトニン
体内時計リセット②:運動
2つ目が「運動」です。
運動と体内時計の関係を調べる学問は「時間運動学」と呼ばれています。
運動というのは交感神経を優位にし、日光同様に体を覚醒モードへ導きます。
さらに
はセロトニンの分泌を促します。
セロトニンについては過去の記事で詳しく説明しています!
≫≫“幸せホルモン”セロトニンとは?どのように生成&分泌促進すればいいのか?
要は、日中に運動をすることは、睡眠の質を高める上でもとても重要になってくるわけです。
また、私達の臓器にも末梢の体内時計が備わっていますが、運動をすることで、
などの臓器で同調(体内時計の調整)が起こるとされています。
体内時計リセット③:食事
3つ目が「食事」です。
食事と体内時計の関係を調べる学問は「時間食事学」と呼ばれています。
食事という行動自体も体内時計をリセットするスイッチにはなりますが、栄養もかなり大事になってきます。
まず大事なのが炭水化物です。
炭水化物は摂取後に膵臓からインスリンが分泌されますが、このインスリンも体内時計をリセットする鍵になります。
さらに朝はタンパク質の摂取量が少なくなりがちで、タンパク質やアミノ酸も体内時計に影響するとされています。
そのため、朝食は特にタンパク質摂取を意識してあげるといいと思います。
じゃあ脂質は重要じゃないのか?
と言われるとまったくそんなことはありません。
魚の脂質に多く含まれるDHAやEPAなどのオメガ3脂肪酸も体内時計のリセット効果を高めると言われています。
≫≫オメガ3脂肪酸とは?EPA・DHAには筋トレの効果をより高める作用あり
要はバランスの取れた食事がいいということですね。笑
もちろん、時間も重要です。
体内時計をリセットするという観点でいえば「朝食をとること」が一番重要で、特に起床後1~2時間以内に食べることが重要だと言われています。
タイミングも重要
先ほど食事のところで摂取する時間についても少し触れましたが、「光/運動/食事」これら3つのタイミングがとても重要になります。
・運動:日中、通勤で歩くでもOK
・食事:朝食を摂る
3つ全てに共通することは日中/午前中に行い、体内時計をリセットすることが重要だということです。
逆にこれら3つは夜遅くに行ってしまうと体内時計のズレを後ろに後退させ、よりズレが大きくなると言われています。
典型的な例が”寝る前のスマホのブルーライト”です。
ブルーライトはメラトニンの分泌を抑制する作用がかなり強いです。
メラトニンは質の高い睡眠をする上でとても重要になるホルモンなので、やはり深夜の光は要注意です。
運動に関しても、19~22時にかけての運動は体内時計を後ろに後退させるという研究報告があります。
深夜の食事も睡眠時の血糖値を上昇させ、睡眠の質を低下させてしまいます。
基本的には午前中/朝にこれら3つを心がけましょう!
睡眠の質を低下させてしまう要因に関しても、過去の記事でまとめています。
≫≫睡眠障害のリスク要因5選!睡眠不足は肥満率も死亡率も高いから要注意!
体内時計リセットをアシストする栄養素
仮に
・リモートワークで光を浴びない!
・家からでないし、運動する時間はない!
という方は、朝に
を摂取するようにしましょう。
カフェインには体内時計をリセットする働きがあるため、朝にコーヒーを飲むのは効果的です。
しかし、これもタイミングが重要で、夜のカフェイン接種は睡眠の質を低下させるのでおススメできません。
結論:朝食、起床後の日光浴、通勤で歩くが大事
まとめると、
・起床したら朝日を浴びる
・日中に運動する、または通勤で歩く
が体内時計をリセットする上でとても重要になるということです。
これらがうまくいかない時は、「カフェイン」をサポート代わりに摂取してあげるのもいいかと思います。
ごくごく当たり前のことではありますが、この当たり前のことができないと、体内時計のズレが修正されません。
夜勤などのシフトワーカーでは
などのリスクが高まると報告されています。
要は体内時計のズレが生じやすい人たちということですね。
ぜひ皆さんも「光/運動/食事」の3つ意識してみてください!!